かお・くびの病気

顔面の病気

顔面神経麻痺

  • 顔面神経は文字通り顔を動かす神経です。この神経は脳を出てから耳のすぐ近くの骨のトンネルの中を通りぬけてから顔面に分布します。
    そのため、いつもわりと窮屈な環境にいるのです。それが何らかの原因で神経が炎症を起こすとトンネル内ではれあがり、神経に分布する血管が循環障害に陥り、神経傷害をおこすと考えられています。
    耳に近い部位での傷害が圧倒的に多いため、耳鼻科的に取り扱うことがよくあります。麻痺した側の顔面では額にしわがよらず、まばたきできず、口をすぼめることができません。また耳がボーッとしたり、味がわかりにくかったりすることもあります。
    入院して安静、薬剤による保存的治療が主体となります。治りにくいものは手術的治療がおこなわれます。

  • ●特発性顔面神経麻痺(ベル麻痺)

    最近ではヘルペスウイルスの再活性化によるとする説がありますが、原因不明です。

  • ●ハント症候群

    水痘・帯状疱疹ウイルス(みずぼうそうのウイルスです)の再活性化によるものです。 顔面神経麻痺に耳の周りの発疹や内耳障害(めまい、耳鳴り、難聴)を伴います。

唾液腺の病気

  • ●流行性唾液腺炎(おたふくかぜ)

    ムンプスウイルスによる感染症で感染後2~3週間して発症します。
    典型的なものでは顔の形が変わるくらい耳下腺や顎下腺がパンパンに腫れます。
    腫れがひくまで感染の可能性があります。自然治癒を待ちます

  • ●急性化膿性唾液腺炎

    唾液の出口から細菌が逆流して感染をおこします。
    腫れた耳下腺または顎下腺を圧迫すると唾液とともに白っぽい膿が出てきます。
    抗菌剤で良くなります。

  • ●唾石症

    唾液腺や腺管内に石ができ、それが唾液の流れをせき止めるために、食事の時に痛みを伴って腫れます。
    石が自然に排出されない時は手術でとりだします。

  • ●シェーグレン症候群

    目や喉がカラカラに渇き、耳下腺の腫れや関節リウマチなどを伴う自己免疫疾患です。
    症状に応じた治療をおこないます。

  • ●腫瘍

    良性のものが多くみられますが、中には悪性のものもあり注意が必要です。

  • ●頚部腫瘤

    頚部には先天性のう胞、リンパ節炎、良性の腫瘍から悪性の腫瘍まで非常に多彩なはれものができます。
    CT、MRI、超音波などの画像診断だけでなく、細胞や組織を採取して最終的に診断をつけることが大切です。

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