日帰り手術について
以前は入院の上行っていた手術が最近では日帰りで行なわれるようになりました。
しかし、日帰りであるといっても、手術の内容は簡単なものばかりでなく、中には高度な技術が要求されるものもあります。
当院では手術による身体への影響が最小限であり、痛みが少なく、安全確実な術式を選択しています。すべて健康保険の適応です。
※現在対応が困難な手術もあります。その場合は当院の提携医療機関へのご紹介をさせていただきます。詳細については当院までお問い合わせください。
耳の入口から鼓膜までの“トンネル”を外耳道といいます。
ここに異物を自分でいれてしまうもの(パチンコ玉、マッチの頭、綿棒の先、消しゴムのカス、鉛筆の芯)や、好まないのに入りこんで異物となるもの(ゴキブリ、ムカデ、ハチ、蛾などの昆虫、草の実)がなど実に多彩です。顕微鏡で見ながら丁寧に摘出します。
生まれつき耳のすぐ横にある小さな穴を先天性耳ろう孔といいます。その中は管状になっており、先は行き止まりです。
通常は無症状だったり、穴から白いカスのようなものがでる程度ですが、感染をおこすと赤く腫れ、痛みます。感染
を繰り返し起こすような場合は、局所麻酔により穴と管状部分を一塊に摘出します。
鼓膜の向こう側にある中耳は一本の耳管という細い管によって咽頭、つまり外界とつながっています。この管により中耳の換気や排泄が行われています。
飛行機の上昇、下降の時やトンネルに入った時などに耳がポンとすることがあるかと思います。これは中耳と外界との気圧の差により起こる症状ですが、これは耳管の働きにより解消されます。
風邪をひいたりアレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎やアデノイドなどがあり、耳管の働きが悪くなると中耳に滲出液がたまり、いわゆる中耳炎をおこします。
中でも難治性の場合には耳管の代わりに中耳の換気や排泄を行うチューブを鼓膜に挿入して、耳管の働きが回復するのを待ちます。局所麻酔下に挿入します。
鼓膜の周囲にできたポリープ(耳茸)を切除します
鼓膜に小さな穴があいている場合にそれを塞ぐ方法です。
穿孔周囲に薬をつけた後、特殊な紙を貼付します。
鼓膜に大きな穴があり、鼓膜穿孔閉鎖術では閉鎖が期待できない場合に行います。
局所麻酔下に穿孔周囲を鋭利なピックで切除した後、耳後部より採取した組織片をフィリン糊で固定します。
術後すぐに聴力が改善した事が実感できます。
鼻汁、くしゃみ発作、鼻閉を三主徴とするアレルギー性鼻炎の治療の原則は抗原を回避あるいは除去することです。
しかしながら、いざそれらを完璧に行うとなるとなかなか難しいものです。
当院ではアレルギー性鼻炎に対するレーザー手術を行っています。
この手術の目的は鼻の中でアレルギー反応を起こしにくくすることです。
鼻内のガーゼによる表面麻酔が約30分、手術が約10分で終了します。
この手術は
1)術後の出血がほとんどないこと
2)術中に痛みをほとんど感じないこと
3)短時間で終わること
4)麻酔ができれば小児でもできること
5)手術は通常一回のみであること(複数回行うことも可能)
などの利点があり、患者さんにとって非常に楽な方法であるといえます。
特に鼻閉のひどい方に有効で、80~90%の改善率があります。
水様鼻汁、くしゃみ発作に対してはやや低いようですが、それでも60~70%の改善率です。手術をしても全く改善しない例も5%ぐらいにみられます。
一般に術後2年ぐらいから徐々に治療効果が減少すると言われていますが、中には5年以上も有効な例もあり、特にアレルギー症状のひどい方にとってはやってみる価値のある治療法です。
鼻出血の際に出血点を電気で焼灼します。
慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎でひどい鼻づまりに悩まされている方の原因として鼻の中にできた鼻茸(ポリープ)による場合がしばしばあります。
これは鼻内の空気の主な通り道を塞ぐため、いびきや睡眠時無呼吸の原因ともなります。
当院では粘膜の表面麻酔でマイクロデブリッダーやレーザーの併用により、ほぼ無痛、無出血でできます。術後は再発していないかどうか定期的な通院が必要です。
ただし、喘息を合併している場合は当院ではできません。
ボールがあたったり、自分のヒザがあたったりして、いわゆる鼻が曲がった状態の時はたいてい鼻骨骨折をおこしています。
変形の程度がかるいものはなにもせず様子を見ることがあります。
腫れがひどいものは腫れがひくのを待ってから、腫れが軽いものは早いうちに局所麻酔にて整復術をおこないます。
鼻出血をともなうことがありますのでその処置もあわせておこないます。
喉の異物を取り出す手術です。
当院の地域がら魚を食べる機会が多いせいか、圧倒的に魚骨の異物が多くみられます。
咽頭の表面麻酔のみでとることができます。
扁桃炎の炎症が周囲に及んで扁桃のまわりに膿がたまった状態を扁桃周囲膿瘍といいます。膿が喉の下方に広がると呼吸困難になったり、さらに胸部まで拡がると縦隔炎をおこして致命的になることがあります。
局所麻酔を行い切開、排膿しなければなりません。
繰り返す場合は再発防止のため扁桃を摘出することが必要となります。
唾液の主な出口として耳下腺由来のものが上顎大臼歯付近、顎下腺由来のものが舌の下にあります。
唾液の性状や重力の関係で石が顎下腺付近にできやすいことが分かっています。
唾液の出口に近いところに存在する石に対して口腔内より摘出します。